国際腹腔鏡結腸直腸がん手術研究会、済南と上海で開催
大腸がん腹腔鏡手術を行う伊藤医師 (写真=渡辺宏道氏)
山東大学齐鲁医院での講義
山東省済南市にある山東大学齐鲁医院にて、国際腹腔鏡結腸直腸がん手術研究会が開かれた。国立がん研究センター東病院の外科医、伊藤雅昭医師が執刀する大腸がん腹腔鏡手術が行われ、伊藤医師が執刀する手術は、病院内の会場に、テレビモニターを通して実況中継された。手術後、下部直腸がん手術技法についての講義が開かれた。
直腸がんは胃腸によく見られる悪性腫瘍の一つで、胃と食道がんについで発病率が高い。なかでも、肛門から3~5cm以内にできる悪性腫瘍は骨盤内にあり、周囲に多くの重要な臓器があって外科手術が難しいといわれている。
腹腔鏡(内視鏡の一種)による下部直腸がんの手術は、現在、国際的に公認された最良の治療方法。開腹せずに、腹腔鏡を用いて腫瘍部分だけを切除するのと同時に、永久的人工肛門をつけずに肛門を温存することができる。また、この方法であれば、がんの再発率も低く抑えることができる。しかし、中国では、この腹腔鏡を使って手術ができる外科医は少なく、普及に至っていない。
山東大学齐鲁医院肝胆外科の医師で山東大学外科教授である牛軍医師は「腹腔鏡手術の先進技術を学べる得がたい機会となりました。伊藤先生は手術も講義も熱意がこもっていて非常に素晴らしい。また、ぜひ済南にいらしていただき、今回参加できなかった外科医らに指導していただきたい」と述べた。
上海市で上海長征医院主催による「2011結腸直腸病学国際フォーラム」が開催された。済南に続き、伊藤医師による下部直腸がん腹腔鏡手術技法の講演が行われ、200人余りの出席者が熱心に耳を傾けた。
北京市にある衛生部中日友好医院姚力医師の直腸がんについての講演も行われた。今回日本語通訳も務めた姚医師は「日本は高度な外科技術を持っている。その素晴らしい技術を中国に指導伝達していただくことは、中国の医師と患者のためになり、さらには友好を深める中日交流になる。北京市の中日友好医院を窓口として、医学交流を続けていきたい」と熱く語った。
今後も中国各地でさまざまな中日医学交流が期待される。
「人民中国インターネット版」
省都済南
教育
済南は山東省の文化、教育の中心とする。省都のため、多くの高等教育機関が済南に集まっている.
経済の発展
済南は中国近代歴史での第一の商埠を創設し、開港して、近代の中国内陸都市の中で商売と対外開放をする先駆けとなった。
歴史文化
済南市は中華文明の発祥地の1つで、約3千年の歴史を持ち、国に公布された最初の歴史文化名城である
旅行案内
「天下第一泉」といわれるホウ突泉、湖畔に伝統的建築物が残る大明湖、摩崖仏が多く彫られたことからその名がついた千仏山は済南の“三大名勝”と呼ばれる。
七十二名泉
済南は“泉城”と呼ばれる。2005年9月に実施した≪済南市名泉保護条例≫の中に合計645処の名泉がある。
済南について
済南市(さいなんし)は中華人民共和国山東省に位置する副省級市。山東省の西部に位置し、省都として省内の政治、経済、科学技術、文化、教育、旅行、の中心としての地位を占める。