世界初の陶磁器製のスポーツカー　

   パリの街角に先ごろ、人目を引く陶磁器製のスポーツカーが現れた。世界初となる陶磁器を利用した自動車が、初めて欧州の道路に姿を見せたことになる。

　英「デイリーメール」ウェブサイトの20日の報道によると、この世界でも唯一の陶磁器版のブガッティ・ヴェイロンは仏自動車メーカーのブガッティとベルリン王立磁器製陶所が昨年共同で発表したもので、陶磁器材料を用いて車体を製造、ボンネットやオイルフィラーキャップ、マークなどは特殊な材料で作られている。同車は8リッター W16のエンジンを採用、1千馬力を持ち、時速0から62マイル（約100キロ）まで加速するのにわずか2.5秒しかかからず、最大時速は253マイル（約407キロ）に達する。販売価格は160万ポンドだ。

    この車がパリの街角に姿を現したという話が伝わると、フランスや英国、オランダ、ドイツなどからファンが次々とフランスのPlaza Athenee Hotelを訪れ、見学していた。

　同車の所有者はサウジアラビアのある富豪だという。ブガッティは同車について「一般とは異なる」作品だと述べている。

　同車の市場販売部門の関係者は「当初は陶磁器で世界最速のスポーツカーを作るなんてとんでもないアイデアに思えた。しかし、優れた品質と美感を追求すると同時に普通とは異なるアイデアを実践するというのが同社の理念だ。創設者エットーレ・ブガッティも新しい材料を取り入れることを好んでいた」と語る。